鑑賞日:1月28日(木) 19:00~
女性
「宴」では、暗い空間から強い照明で浮かび上がる太鼓と奏者の迫力に息をのみました。明と暗の差が激しい舞台の上で太鼓を打つ筋肉の動きがくっきりと見え、腹に響く音も相まって遠近感がだんだんと消えていくような錯覚を受けました。目と耳と腹、体の中心に集まってくるような響きを太鼓が持っている事を改めて体感できたと思います。
撮影=青柳聡
そして反対に、「老松」「高砂」での明るい空間はゆったりとした動きに合っていると思いました。ただ舞台全体が見えるため、色や装置がほしいという気もしました。
レクチャーはとても良い効果があると感じました。
伝統芸能に対して門外漢であるため、私は当日とても緊張していました。しかし、あらすじや企画のねらい、演者の思いなどの鑑賞のポイントの解説と、演者達の語りによって観衆の心が開かれていくのを感じたのとで、自然と肩の力を抜いて席に座れていた事に気付きました。それは、素人にはとてもありがたい事です。
「高砂」の合唱は面白い企画でした。ある道の名人から、一緒にやってみようと誘われることは滅多にないことなので、観衆の印象に残る舞台になったと思います。そしてその謡を説明している時の、以前から比べるともう謡われなくなった とか 自分が日本人であることを改めて感じてほしい という発言も心に響くものであったと思います。日本の伝統を受け継ぐ人々の、直接の思い、呼びかけを聞くことは大切で、もっと盛んに行われて良いと感じました。
この演目を見て強く感じたものは、開かれているという事です。芸術はこういった姿勢を基本としなければならない面もあると思いました。ありがとうございました。
