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<区民レポーター>「混沌と無秩序」

大橋可也&ダンサーズ新作公演『春の祭典』 

鑑賞日:5月16日(日)15:00~ 
女性

 一見折り目正しいスーツ姿のリーダー。彼は善人か悪人か?彼の意思は、もうひとりの男に引き継がれる。市井の人々の中で男は何を働きかけたのか?目に見えないものの力に扇動された人々に表情はない。そこにあるのは、絶え間なく続く暴力、憎しみ、嫉み、絶望。そこから何が生まれるのか。彼らはそんな状況に甘んじているのか。


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               撮影=GO

 鍛え抜かれたダンサーたちの肉体から発せられる声なき声。言葉のもたらす力は絶大だが、肉体のもたらす力はどうなのだろう。そこに、彼らの飽くなき挑戦があるように見受けられた。観客は客席から大きなガラスケースを覗いているような気持ちになる。始めはおそるおそる、やがて眼をそらすことが出来なくなってくる。そこで起こっていることは、他人事ではなく、とても身近で誰にでも起こり得ることなのではないのか。もしかしたら、既に自分も巻き込まれているのかもしれない。そう思えてくる頃、暴力は隣人から隣人へと連鎖していく。そして最後の矛先は2人のリーダーに向けられる。

 絶望から生まれたものは何だったのか。決して光ではない。ましてや希望でもない。そこから感じられることは、決してあきらめないということ。生き続けるということ。そして目をそらさないでしっかりと「今」を見るということ。なぜならば、祭典は始まったばかりなのだから。

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2010年05月28日 23:59に投稿されたエントリーのページです。

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