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<モリー・スウィーニー> うがい

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谷さんからの定期便、第二弾です。
それでは谷さん、よろしくお願いします。

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4月上旬。プレ・プロダクション・ミーティングという、舌を噛みそうな名前の会議へ参加。
スタッフ一同が集まって、大枠で美術プランを決定した。

前夜に美術のゆらさんと落ち合って、ファミレス会議をしておいた俺なのだから、磐石、磐石、どんとこーい、へらへら、と思っていたのだが、さすがにこの道でメシを食って数十年というベテランが集まると、開始早々、あーのこーのと多彩な意見が机上にぶちまけられるもので、おしっこちびりそうだった。

 しかし! 俺は演出家だ、納得づくまで語ってやるぜと、傲岸不遜にどーのこーのとプランの説明をしていくと、流れが変わるのがわかった。それをやると、こうなる。それをやりたいなら、こうした方がいい。それをやるなら、こっちの方がスマート。僕の意見を汲みつつ、的確に具現化のためのアドバイスを与えてくれる。さすがにこの道でメシを食って数十年というベテラン、今まで両手両足の指の数じゃ足りないほどたくさんの我が儘演出家たちに付き合ってきただけあって、ムリとかダメとか絶対言わない。話せば伝わる。話しまくった。

 結果、おしっこはちびらなかったが、大変に喉が乾いた。うまく話がまとまった後で、一気に飲み干したコーヒーは、すっかり冷め切っていたにも関わらず、実にうまい一杯であった。あんなに旨い飲み物は、世界中どこを探したってないんじゃないの。

 打ち合わせ後は「うがい」に繰り出す。「うがい」ってのは古い演劇用語で、打ち合わせや本番の後で行く「ちょっと一杯」のことである。どう見たって酒好きなのにあっという間に酔っ払い、しかし舌はむしろよく回るというオモシロ技術部長Kさんの勢いに乗せられて、わーわー終電まで話し込む。

 酔った勢いも手伝ってか、いや、多分あの目はマジだと思うけど、うちの劇場は日本一だ、どこにも負けない、と気炎を上げるK氏に煽られ、プロデューサーもプロダクション・マネージャーも「そうだ、そうだ」と威勢がいい。気がつけば焼酎をボトルで2本空け、俺は終電を逃していた。

 桜も八分は花を開き、しかしまだまだ肌寒い4月の夜道をとぼとぼ。また終電を逃しちまったと舌打ちしつつ、しかし後悔は一つもない。ミーティングでプランをシェアし、「うがい」でハートをシェアする。演劇人の会合は実に効率的にできている。「うちの劇場は日本一」なんて、堂々と言えるほど自分の仕事にプライドを持ってる職人たちと一緒に仕事ができるのが、単純に嬉しい。

 いい酒を飲んだ。あんなに旨い飲み物は、世界中どこを探したってないんじゃないのかな。

『モリー・スウィーニー』 訳・演出 谷 賢一

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【公演情報】
『モリー・スウィーニー』 作:ブライアン・フリール 訳・演出:谷 賢一
出演:南果歩、相島一之、小林顕作
シアタートラム 2011年6月10日(金)~6月19日(日) 
公演詳細情報はこちらへ
世田谷パブリックシアターon twitter

前売り開始:2011年4月16日(土)

◎前売り取扱い
  世田谷パブリックチケットセンター 03-5432-1515 (10:00~19:00)
  世田谷パブリックシアターオンラインチケット
   パソコン http://setagaya-pt.jp/
   携 帯  http://setagaya-pt.jp/m/

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2011年4月11日 22:08に投稿されたエントリーのページです。

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